任意整理のデメリットとは?後悔しないための注意点と判断基準を徹底解説

任意整理のデメリットを考える女性

借金の返済に困り任意整理を検討するとき、気になるのが手続きのデメリットや「後で後悔しないか」という点でしょう。任意整理は裁判所を通さず利息負担を軽減できる有効な手段ですが、すべてのケースで最善とは限りません。実際、任意整理後に「しなければよかった」と後悔する人もいます。

この記事では、任意整理のデメリットと注意点を解説します。ブラックリスト期間中の生活への影響や家族に知られずに手続きする方法、他の債務整理との比較も交え、後悔しないための判断材料が得られます。

目次

任意整理とは?仕組みと特徴をわかりやすく解説

任意整理の仕組みや特徴を解説する女性

任意整理とはどのような手続きなのか、その基本的な仕組みと特徴を確認しましょう。

任意整理でできること・できないことや、自己破産・個人再生との違い、任意整理が選ばれやすい理由について解説します。

任意整理でできること・できないこと

任意整理でできること

  • 将来利息のカット(これ以上利息が増えなくなる)
  • 返済期間の延長による月々の返済額調整(3~5年程度の長期分割払い)
  • 整理する借金を選択できる(保証人付きなど特定の借金を対象外にできる)

任意整理ではできないこと

  • 借金の元本そのものを大きく減額(カット)すること
  • すでに発生した利息・遅延損害金の全額免除
  • 債権者に交渉への同意を強制すること(任意交渉のため、応じない債権者は訴訟を起こす場合もあります)

自己破産・個人再生との違い

任意整理は裁判所を通さず、債権者と直接交渉して返済負担を軽くする方法です。整理する借金を選べて財産を処分せずに済む一方、借金の減額効果は比較的小さいのが特徴です。

自己破産や個人再生は裁判所を介する手続きで、原則すべての借金を対象に進めます。自己破産は借金が原則免除される代わりに、一定以上の財産は処分されるなどリスクも大きくなります。

個人再生は借金を大幅に減額でき、住宅ローンがあっても自宅を残せる制度ですが、裁判所の認可や官報公告が必要で任意整理より手続きや費用の負担が重くなります。

任意整理が選ばれやすい理由

任意整理が選ばれるのは、借金問題を解決するうえで自己破産よりリスクや影響が小さいケースが多いからです。安定した収入があり元金を返済できる人にとって、利息カットで完済を目指す任意整理は最もデメリットの少ない債務整理の方法と言えます

特に、毎月の返済が利息ばかりで借金残高が減らない場合、将来利息をゼロにすることで返済総額が確定し、完済のゴールが見えやすくなります。また、任意整理は裁判所を通さない分、家族や職場に知られにくい手続きでもあります。

家族に秘密で進めたい人や、いずれ住宅ローンを組みたい人にも現実的な手段と言えるでしょう。

任意整理のデメリット【一覧】

任意整理のデメリット一覧

任意整理を検討する際に知っておきたい主なデメリットをまとめました。それぞれの注意点を正しく理解し、自分に当てはまるかを確認しましょう。

信用情報に事故情報が登録される(ブラックリスト)

任意整理をすると、信用情報機関に事故情報(いわゆる「ブラックリスト」)が登録されます。これは任意整理に限らず債務整理全般に共通するデメリットで、借金の完済後(任意整理の場合は和解後の返済完了後)およそ5~7年間、新たな借入やクレジットカードの利用ができなくなる状態です。

ブラックリスト入りしている間は、カードやローンの審査に通らないのはもちろん、スマートフォンの端末を分割で購入できなくなる可能性があります。任意整理をした以上、こうした信用情報への悪影響は避けられないと認識しておきましょう。

クレジットカード・ローンが数年間使えなくなる

ブラックリスト状態になると、一定期間はクレジットカードや各種ローンが利用できません。任意整理では借金完済から約5年間は信用情報が回復しないため、その間は新規のカード発行やローン審査に通らないと考えましょう。

例えば、36回払い(3年)の分割返済で和解した場合、完済まで3年+その後約5年間は事故情報が残るため、合計8年近くクレジットカードやローンを利用できなくなる可能性があります。

ブラック期間中は住宅ローン・マイカーローンも組めず、高額の買い物は現金またはデビットカードで対応する必要があります。

和解が成立しないケースもある

任意整理はあくまで私的な交渉であり、債権者の同意がなければ成立しません。貸金業者の多くは任意整理による利息カット交渉に応じますが、中には減額に消極的な債権者も存在します。

また、借金をしてから一度も返済せずに交渉を始める場合など、債権者に返済の意思を疑われるケースでは同意を得られないことがあります

もし特定の債権者との和解が成立しなければ、その借金には任意整理の効果が及ばず、最終的に裁判を起こされて一括請求されるリスクもあります。

返済期間が長期化する場合がある

任意整理後の返済期間は3~5年程度に設定されるのが一般的です。毎月の返済額を無理のない範囲に抑えられる反面、完済までの期間が長くなる点はデメリットと言えます。借金の額や残りの返済期間によっては、任意整理しなかった場合より返済が長期化するケースもあるでしょう。

例えば、債権者との交渉で36回(3年)以内の分割しか認められなかった場合、希望より短い期間で返済しなければならず、月々の負担があまり減らないこともあります。

想定より返済が長引けば、その間は家計にかかる負担も続き、生活設計にも影響を及ぼします。

手続き費用がかかる

任意整理には、弁護士や司法書士に依頼するための手続き費用がかかります。費用は依頼先や債権者の数によって異なりますが、一般的な相場は債権者1社あたり数万円から十数万円程度です。債権者が多いほど合計の費用も高額になっていきます。

また、将来利息のカットによる減額分が少ない場合、専門家への支払い費用の方がかさんで「費用倒れ」になってしまうケースもあります。

任意整理で得られるメリットが費用に見合うか、事前によくシミュレーションして検討しましょう。

保証人付きの借入は整理できずトラブルの原因になる

連帯保証人が付いている借入を任意整理すると、保証人に対して借金の一括請求がいってしまいます。債権者から見ると本人が返済できなくなったと判断されるためで、保証人に多大な返済負担を負わせ、人間関係にも深刻な影響を及ぼしかねません。

そのため任意整理では、保証人付きの借金は対象から外すのが基本です。保証人に迷惑をかけずに済みますが、対象から外した借金については任意整理の減額効果を受けられないため、利息も含め従来どおり返済を続ける必要があります。

一部の債権者から訴訟を起こされるリスク

任意整理の手続き中に、一部の債権者から訴訟を起こされるリスクもあります。通常、弁護士等が介入すると督促は止まりますが、和解交渉が進まなかった場合や、手続き開始前に長期間延滞していた場合など、債権者が早期に法的措置へ踏み切るケースがゼロではありません

訴訟になれば自宅に裁判所から訴状が届き、最終的に給与の差押えなど強制執行される恐れも生じます。任意整理を依頼したからといって安心せず、迅速に和解を成立させることが重要です。

任意整理のデメリットを「深掘り」

任意整理のデメリットを深掘り

任意整理のデメリットの中でも、特に気になるポイントを掘り下げて解説します。

住宅ローン審査への影響や、家族に知られる可能性、任意整理後の家計管理で注意すべき点など、具体的な事例を交えて見ていきましょう。

住宅ローン審査への影響

任意整理後にマイホーム購入を考える場合、住宅ローンの審査へどのような影響があるか心配になります。

ここでは、任意整理後いつから住宅ローンに再チャレンジできるのか、審査に通るためのポイントを解説します。

いつから再チャレンジできるか

任意整理でブラックリストに載っている期間は、完済後およそ5年程度とされています。したがって、任意整理後すぐに住宅ローンを組むことはできませんが、完済から5年が経過して事故情報が消えれば、再びローン審査に申し込めるようになります

住宅ローンを再チャレンジする際は、信用情報機関に開示請求を行い、自分の事故情報が確実に削除されていることを確認してから申し込みましょう。

審査に通るために必要な準備

任意整理後に住宅ローン審査を受ける際は、次のポイントに留意しましょう。

  • 申し込む銀行の選択:任意整理で整理対象にしなかった金融機関を選ぶ
  • 頭金を多く用意する:自己資金割合が高いほど審査に有利
  • ペアローンの活用:配偶者とペアローンを利用できる場合は世帯収入を合算できる

こうした工夫により、任意整理経験があっても住宅ローン審査に通る可能性を高めることができます。

家族に知られる可能性はどれくらいあるのか

任意整理の手続きを家族に知られずに進めたいと考える人も多いでしょう。

この章では、任意整理が家族にバレてしまう可能性がどの程度あるのか、主な原因を確認します。

郵送物・連絡・明細でバレるケース

任意整理中に支払い方法の変更やクレジットカードの利用停止をきっかけに家族にバレるケースがあります。

例えば、携帯電話料金をこれまでクレジットカード払いにしていたのを、任意整理開始後に口座振替や現金払いに変更すると、家族から不審に思われることがあります。また、本人名義のカードを家族が使っている場合、任意整理でそのカードが停止すると「どうして急にカードが使えないの?」と疑われかねません

他のカードであっても、信用事故情報が共有されているため更新時に利用停止となる可能性が高く、家族カードを使っていた場合は同様に怪しまれることがあります。

家族に知られないために取れる対策

任意整理を家族に知られず進めるために取れる対策もあります。

まず、弁護士や司法書士に依頼するときは「家族に内緒にしたい」旨を伝えましょう。郵送物の封筒に事務所名や肩書を入れず個人名で送付してもらうことで、家族に怪しまれにくくなります。

また、家族に渡しているクレジットカード(家族カード含む)がある場合、任意整理開始前に回収しておくことが大切です。いきなりカードが止まると不審に思われる原因になるため、事前に「カードを解約した」など自然な理由を伝えて返却してもらいましょう。

任意整理後の家計運用の制約

任意整理後はクレジットカードやローンに頼れなくなるため、現金中心の生活に切り替える必要があります。

以下では、任意整理後の家計管理における具体的な制約と対策を解説します。

現金払い中心の生活に変わる

任意整理後は、クレジットカードやローンに頼らず現金払い中心の生活に切り替わります。ネットショッピングや公共料金の支払いも、デビットカード・口座振替・代引きなど現金同等の方法で対応しなければなりません

クレジットカード払いに慣れていた人にとって、ポイントが貯められない・分割払いが使えないなど不便に感じる場面が増えるでしょう。高額な買い物も一括払いが基本となり、例えばスマートフォンを機種変更する際も端末代金を分割購入できず、一括で払う必要があります。

計画的に現金を用意してから支出する習慣を身につけることが大切です。

教育費・突発的支出への影響

任意整理後は、教育費や冠婚葬祭・医療費といった突発的な大きな出費にも、原則として貯蓄で備える必要があります。

ブラックリスト中は教育ローンなどの新規借入も利用できないため、子どもの進学費用は計画的に積み立てておかなければなりません。急な出費に対応するクレジットカードやカードローンも使えないため、家庭にはある程度の緊急予備資金を確保しておくことが望ましいでしょう。

任意整理後は、これまで以上に「貯めてから使う」という堅実な家計運用を心がける必要があります。

任意整理をして後悔するのはどんなケースか

任意整理で後悔するケースを想像する男性

任意整理をしたものの、「やらなければよかった」と後悔してしまうのはどんなケースでしょうか。想定される後悔ポイントを押さえておき、手続きを決断する前に自身の状況をよく吟味することが大切です。

毎月の返済額があまり減らない

任意整理の目的は月々の返済負担を軽くすることですが、ケースによっては毎月の返済額が期待ほど減らない場合があります。もともとの金利が低かったり、債権者との交渉で3年程度の短い分割しか認められなかったりすると、利息カットの効果が小さくなり、返済期間が短縮されたぶん毎月の支払額はあまり変わらないこともあります

その結果、「任意整理したのに思ったより楽にならない」と後悔する人もいます。任意整理前に、毎月の返済額がどの程度減るのかシミュレーションしておくことが大切です。

返済計画を途中で守れなくなったとき

任意整理で和解成立したものの、途中で約束どおりの返済が続けられなくなるケースもあります。利息カットだけでは完済が難しいほど借金総額が大きかった場合、任意整理後に支払いに行き詰まり、結局完済できないまま個人再生や自己破産に切り替える人も少なくありません

最初から自己破産など別の手段を選んだ方が良かった状況であり、「任意整理なんてしなければよかった」と後悔する典型例です。こうした事態を防ぐには、任意整理で完済可能かどうか事前にシビアに見極めることが大切です。

カードが使えない生活にストレスを感じるとき

任意整理によってクレジットカードやローンが使えない生活にストレスを感じ、「しなければよかった」と後悔してしまうケースもあります。ブラックリスト期間中はカードによる分割払いやローンが利用できなくなり、例えばスマートフォンを機種変更する際も端末代金を分割購入できず一括で払う必要があります

通販のカード決済が使えない、ポイントが貯められない、といった不便さに不満を感じる人も多いようです。任意整理の手続き前に、こうした生活上のデメリットを十分に理解しておくことが大切です。

保証人・家族への影響を想定していなかった場合

保証人や家族への影響を考慮せず任意整理をしてしまい、後から「迷惑をかけなければよかった」と後悔するケースです。

前述のとおり、保証人付きの借金を任意整理すると保証人に一括請求が及び、多大な負担と迷惑をかけてしまいます。その結果、保証人との信頼関係が壊れ、「家族(友人)に知られず解決したかったのに、かえって迷惑をかけてしまった…」と強く後悔することになりかねません。

また、家族に秘密で進めるつもりが郵送物やカード停止をきっかけに結局知られてしまい、気まずい思いをするケースもあります。任意整理を決断する際は、保証人や家族への影響について事前に十分考慮しましょう。

他の債務整理の方がメリットが大きかった

任意整理より他の債務整理を選んだ方が良かったと思うケースです。借金総額があまりにも大きく利息カットだけでは完済が難しい場合は、最初から個人再生で元本を減額するか自己破産で借金をゼロにした方がメリットが大きいでしょう。

任意整理後に支払い切れず、結局自己破産に切り替えるのは、「はじめから自己破産しておけばよかった」と後悔する典型的な例です

逆に、借金が比較的少額の場合、債務整理をせず家計の見直しやおまとめローンで対処できた可能性もあります。自分の状況に最適な解決策を選ぶため、専門家に相談して慎重に判断することが大切です。

「任意整理を選んで良かった」ケースとは

任意整理を選んで満足している女性

逆に、任意整理によって借金問題が改善し「やって良かった」と感じられるのはどんなケースでしょうか。任意整理のメリットが最大限発揮された具体例を紹介します。

利息カットで返済総額が明確になり家計管理が改善した

任意整理の最大のメリットは、将来利息をカットして返済総額を明確にできることです。利息によって借金がなかなか減らない状況でも、任意整理で利息がゼロになれば残りの元本だけ返済すればよくなり、完済までのゴールが見通しやすくなります

実際、複数のリボ払いで残高が減らなかった人が任意整理で将来利息をカットし、5年程度の分割で和解を成立させたことで、支払い総額が固定され無事完済できたケースがあります。利息負担がなくなった分家計にも余裕が生まれ、計画的な返済によって着実に生活再建への道筋が立てられました。

督促が止まり精神的な負担が軽減された

任意整理を弁護士・司法書士に依頼すると、受任通知の送付により債権者からの督促が止まります。毎日のようにあった取り立ての電話や郵便がピタリと止むことで、精神的な負担が大きく軽減され、「助かった」と実感する人は少なくありません

特に、返済に行き詰まり常に督促に怯えていた状態から解放されるメリットは非常に大きいでしょう。債権者対応を専門家に一任できたことで心に余裕が生まれ、仕事や生活立て直しに集中できるようになったという声も多く聞かれます。

自己破産を避けつつ返済を続けられた

任意整理は自己破産を避けつつ借金問題を解決できる手段として評価されます。自己破産では財産の処分や資格制限などリスクが大きいのに対し、任意整理ではそうしたデメリットなく返済を続けられるため、「破産せずに済んで良かった」と感じるケースは少なくありません。

例えば、自宅や車を手放したくないため自己破産は避けたかった人が、任意整理を選んで無事に借金を完済できたケースがあります。また、保証人付きの借金を除外して任意整理することで家族に迷惑をかけずに済み、借金を自分の責任で返し切れたという安心感を得られる点もメリットでしょう。

家族に知られずに解決できたケース

家族に知られずに借金問題を解決できたケースも、「任意整理をして良かった」と感じやすいでしょう。任意整理は裁判所を介さないため周囲にバレにくく、実際に家族に一切知られないまま最後まで返済を終えられた例もあります

専門家に郵送物の宛名を個人名にしてもらうなどの配慮を依頼し、家族カードの処置も事前に行ったことで、家族に心配や迷惑をかけずに済んだのです。借金問題を自力で乗り越え、家族に負担を与えなかったことは、本人にとって大きな安心感につながったでしょう。

任意整理と他の選択肢を比較する【判断基準まとめ】

任意整理を比較検討

最後に、任意整理とその他の債務整理・解決策のどれを選ぶべきか、その判断基準を整理します。借金額や収入状況、今後の目標によって適切な方法は異なります。自分に合った選択肢を見極める参考にしてください。

任意整理に向いている人

任意整理に向いているのは、収入が安定しており、借金を将来利息カットで3~5年かけて返済できる見込みがある人です。毎月の収支にある程度余裕があり、無理なく返済計画を立てられることが条件です

反対に、借金額が収入に対して多すぎて3~5年では返しきれない人や、返済のために生活費を過度に削らねばならない人には任意整理は不向きです。

また、保証人付きの借入があるが保証人に迷惑をかけたくない場合や、自己破産のような財産処分・職業制限を避けたい場合にも任意整理が有力な選択肢となります。

個人再生を選ぶべき人

個人再生を選ぶべきなのは、借金総額が大きく任意整理では完済が難しいものの、継続的な収入があり元金の一部を返済できる人です。借金を大幅に減額できるため、数百万円規模の多重債務でも完済の目処を立てやすくなります。

特に、住宅ローン返済中の自宅を維持したい場合、住宅ローン特則を利用する個人再生は有力な選択肢です

逆に、収入が不安定で再生計画の遂行が難しそうな人や、借金額が少額でそこまで大幅減額の必要がない人には個人再生のメリットは小さいでしょう。

自己破産が適している人

自己破産に適しているのは、借金額が収入や資産に対して過大で、自力での返済がほぼ不可能な人です。例えば、失業などで収入がなく返済の目処が立たない場合や、3~5年の分割弁済でも完済できないほど多額の借金を抱えている場合、自己破産による免責で借金をゼロにする選択が現実的でしょう

財産処分や一定期間の資格・職業制限といったデメリットを受け入れられるのであれば、自己破産が最も早く根本的に借金問題を解決できる手段です。

逆に、保証人付きの借金がある場合は保証人への請求という形で影響が及ぶため、その点も踏まえて判断する必要があります。

借り換え・家計改善で済むケースもある

借金が比較的少額で金利負担も大きくない場合は、債務整理をせずに借り換えローンの利用や家計の見直しで乗り切れるケースもあります。

金利の低いおまとめローンに借り換えることで返済負担が軽くなることもあります。他に支出の削減だけで返済が継続できる余地があれば、任意整理などの法的手続きに踏み切る必要はない場合もあります。

自分の借金額と家計の状況を冷静に見極めたうえで、どのレベルの対策が必要か判断しましょう。

任意整理を検討する前に確認すべきポイント

任意整理をする前にチェックするべきポイント

任意整理を決断する前に、以下のポイントを必ず確認しましょう。自身の返済能力や家計の状況を把握した上で手続きを選択することで、後悔を防ぐことができます。

任意整理後に無理なく返済できる金額を把握する

任意整理後に毎月いくらなら無理なく返済に回せるか、事前に正確に把握しておきましょう。家計の収支を見直し、住宅費や生活費など必要経費を差し引いた上で、返済に充てられる金額を算出します

その金額で利息カット後の借金を3~5年で完済できるかどうかが、任意整理が成り立つ前提条件です。無理な返済計画で途中挫折しないよう、専門家の助言を受けながら現実的な返済額を設定することが重要です。

家計の見直しで改善できる余地があるか

債務整理の前に、家計の見直しで返済を続けられる余地がないか確認しましょう。毎月の支出を洗い出し、削減できる費目があれば積極的に減らすことで返済に充てられるお金を増やせるかもしれません。

例えば、通信費や保険料の見直し、娯楽・交際費の節約など、小さな改善の積み重ねで月々の返済負担が軽減できれば、債務整理を回避できるケースもあります。

こうした家計改善で対処が難しいと判断して初めて、任意整理など法的手段を検討すべきでしょう。

滞納がある場合はデメリットが増すことを理解する

既に返済を滞納している場合は、任意整理のデメリットが一層大きくなる点に注意が必要です。長期延滞により債権者が任意整理に応じず訴訟を起こしてくるリスクが高まりますし、遅延損害金が発生して借金総額が増えていると利息カットの効果も限定的です

また、延滞情報はすでに信用情報に傷が付いている状態のため、早めに手続きしてもブラックリスト期間が延びてしまう可能性があります。

滞納が発生しているなら、一刻も早く専門家に相談し、任意整理以外の選択肢も含めた対策を検討すべきでしょう。

信用情報への影響期間を踏まえた将来計画の整理

任意整理による信用情報への影響期間(ブラックリスト期間)がどのくらいになるかを踏まえ、将来のライフプランを整理しておきましょう。例えば、「数年後に住宅ローンを利用したい」と考えている場合、任意整理後に事故情報が消えるタイミングを見据えて資金計画を練ることが大切です。

ブラック期間中は自動車ローンや事業融資なども利用できないため、マイカー購入や起業資金、子どもの進学費用など大きな支出を予定している場合は、資金準備とタイミングに十分注意しましょう

信用情報が回復した後にスムーズに融資を受けられるよう、任意整理後も着実に貯蓄を行い信用力の回復に努めることがポイントです。

後悔しないために:任意整理を成功させるポイント

任意整理に成功したビジネスマン

最後に、任意整理を後悔なく成功させるためのポイントを確認しましょう。以下の点に注意して手続きを進めることで、任意整理後の生活再建もスムーズに進むはずです。

実績のある専門家に相談する

任意整理を成功させるには、債務整理の経験豊富な弁護士・司法書士に相談することが大切です。債務整理に不慣れな専門家に依頼すると、借金問題の最適な解決策を検討してもらえず、「任意整理しなければよかった」という事態になりかねません。

借金問題に強い専門家なら、あなたの収支状況や希望を丁寧にヒアリングした上で、本当に任意整理がふさわしいかも含め最善策を提案してくれます。有利な条件での和解を引き出す交渉力も期待できるでしょう。

信頼できる専門家を選ぶには、相談実績や口コミ評判を参考にすると良いでしょう。

返済シミュレーションを事前に確認する

任意整理でどの程度借金が減り、毎月の返済額がどう変わるかを事前にシミュレーションしておきましょう。弁護士や司法書士に相談すれば、債権者ごとの利息カット後の残債や、何回払いで和解すれば毎月いくらになるかを試算してもらえます

減額できる金額と手続き費用を比較検討することで、任意整理するメリットがあるか判断しやすくなるでしょう。

「毎月○万円ずつ返せば○年で完済できる」といった具体的な返済計画を立てた上で手続きを進めれば、想定外の後悔を防ぐことにつながります。

複数社へ債務がある場合の進め方を理解する

複数の借入先がある場合、任意整理の対象とする債権者の選定が重要です。一部の債権者だけを整理しても十分な効果が得られず、すべてを対象にすると費用がかさむため、無駄のない戦略で進める必要があります

通常、保証人付きの借金は対象から外し、利息の高い債務から優先して整理することになるでしょう。交渉が難しい相手でも、債務整理に精通した専門家であれば合意の可能性を高めてくれるため、複数債務の任意整理はプロに任せるのが賢明です。

返済計画を守るための生活設計を固める

任意整理後の返済計画を確実に遂行するには、それに合わせた生活設計を固めておく必要があります。毎月の返済額を最優先に組み込んだ家計管理を行い、無理のない支出の範囲内で生活する習慣を徹底しましょう

ボーナスや臨時収入が入った場合は積極的に繰上げ返済や貯蓄に回し、できるだけ早期に完済できるよう努めることも有効です。返済期間中は新たな借入をしないのはもちろん、急な出費に備えて一定の予備資金を確保しておくと安心です。

また、返済計画を家族と共有し協力して家計を見直すことができれば、計画破綻のリスクを減らせるでしょう。

任意整理のデメリットを踏まえた賢い選択を

任意整理にはブラックリスト入りや返済期間の長期化など様々なデメリットがありますが、その一方で利息負担の軽減や督促停止などのメリットもあります。

大切なのは、これらのデメリットを正しく理解した上で自分の状況に合った手段を選ぶことです。任意整理が最適かどうか迷ったら、経験豊富な専門家に相談して判断材料を集めましょう。

本記事で解説した注意点を踏まえて行動すれば、任意整理による後悔を避け、着実に借金問題を解決していくことができるはずです。

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
目次