借金の返済が苦しくなり債務整理を検討しているものの、実際の費用相場がよくわからず、不安に感じている人は多くいます。債務整理に4つの種類があり、それぞれ手続きや費用の内訳が異なります。
この記事では、任意整理・個人再生・自己破産・特定調停という4つの債務整理について、2025年時点の費用相場や内訳、費用を抑える具体的な方法を紹介します。
債務整理の全体像と費用
債務整理には複数の手続きがあり、費用の目安や相談先も異なります。この章では制度の概要と最新の相場感を整理します。
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債務整理とはどんな制度？種類と手続きの流れを法律とともに解説
債務整理とは、過重な借金を減額または免除し返済を立て直す法的制度です。代表的な方法には利息カットを目指す任意整理、簡易裁判所が仲裁する特定調停、大幅減額と長期返済計画を立てる個人再生、借金をゼロにする自己破産の4種類があります。
任意整理は裁判所を通さないので手続きが比較的簡単ですが、特定調停や個人再生・自己破産は裁判所へ申し立てが必要です。どの手続きを選ぶかによって費用とメリット・デメリットが変わるため、弁護士や司法書士へ相談して自分の状況に合った方法を選ぶことが大切です。
2025年の費用相場はいくら？平均料金・上限と未満ラインの目安
2025年時点の平均的な費用相場では、任意整理は1社につき3万円程度の着手金と減額報酬10％、特定調停は裁判所手数料が債権者1社あたり500〜1,000円程度と、最も費用が安い手続きとされています。
次に、個人再生は裁判所費用約20万円と弁護士費用20万〜50万円または50万〜60万円が目安になっており、住宅ローン特則を利用する場合は追加費用が発生します。自己破産の場合は、同時廃止なら30万円程度、管財事件になると弁護士費用を含めて20万〜80万円と幅があります。
こうした相場は、借金額や債権者数、手続きの難易度によって増減する点を押さえておきましょう。
相場変動の具体的理由と専門家の解説―報酬・実費の内訳
任意整理の費用は、債権者数や借金額、手続きの複雑さに応じて変わります。任意整理では着手金2万〜5万円／1社、報酬金2万〜5万円／1社、減額報酬10％前後とされ、相談料や送金代行手数料など実費も含まれます。
個人再生や自己破産では裁判所予納金や官報公告費用、郵券代などの実費に加え、案件の難度や管財人の有無によって費用が上乗せされます。任意整理を自分で行う場合は、郵便切手代などの実費が5,000円前後に収まることもありますが、専門家に依頼しないと交渉が難航するリスクがあると指摘されています。
このように報酬の内訳と実費を理解することが、費用を予測する第一歩です。
弁護士と司法書士の費用比較｜報酬・実費・手数料の違い
弁護士と認定司法書士では、対応できる業務範囲と料金設定が異なります。司法書士に依頼すると費用がやや安く、書類作成代理人として1社あたり2万〜5万円ほどで対応可能です。一方、弁護士は債権額に制限なく交渉や裁判の代理ができるため、依頼費用は同程度またはやや高くなる傾向があります。
ただし、司法書士は140万円以下の借金にしか代理権がなく、代理交渉や裁判出廷は本人が行う必要がある点に注意しましょう。
総額では大きな差がないものの、交渉力や手続きの全体代行を考慮すると弁護士に依頼するメリットも大きく、費用と業務範囲を比較して選ぶことが重要です。
債務整理の手続き別費用の内訳と相場を徹底比較
ここでは各手続きごとにかかる費用を具体的にシミュレーションし、裁判所費用や報酬金の内訳をまとめます。自分のケースに照らし合わせて検討しましょう。
任意整理の費用シミュレーション｜30万のラインと未満で収まるケースの手続
任意整理は債務整理の中でも費用が安く、1社につき着手金2万〜5万円・報酬金2万〜5万円・減額報酬10％程度が目安です。仮に5社の借金を整理する場合、着手金と報酬金で20万円前後、減額報酬を含めても30万円未満で収まるケースが多くなります。
裁判所への申し立ては不要のため、郵便切手代などの実費は5,000円前後で済むこともあります。ただし、借金の件数が増えるほど費用が上がるため、早めに相談して返済計画を立てることがポイントです。
個人再生にかかる料金・裁判所予納金の目安と返済計画
個人再生は借金を5分の1程度まで減額し、自宅を残したまま返済計画を立てられるメリットがあります。費用は弁護士費用20万〜50万円に加えて裁判所費用約20万円が目安で、住宅ローン特則を利用する場合はさらに10万〜20万円上乗せされることもあります。
裁判所予納金は1万3,000円程度、申立手数料は1万円程度で、郵便切手代も必要です。再生委員が選任される場合には別途15万円程度の費用がかかるため、総額50万〜60万円前後を想定しておくと安心です。
自己破産（同時廃止・管財）の費用相場と実費・上限
自己破産の費用は手続きの種類によって大きく異なります。同時廃止事件（財産がほとんどないケース）では弁護士費用30万円〜に加え、印紙代1,500円・郵券4,000円・予納金1万円程度が必要です。
一方、管財事件になると裁判所が管財人を選任し、最低20万円の管財予納金が追加で必要になるため、総額は50万〜80万円前後に上がります。
報酬金は免責が決定した場合のみ発生し、事務所によって異なります。費用負担を抑えるためには、資産状況を整理し、同時廃止が可能かどうか弁護士と相談することが大切です。
特定調停の代行手数料・メリットとリスク
特定調停は簡易裁判所の調停委員が債権者と調整してくれる手続きで、費用は債権者1社あたり500〜1,000円程度の手数料と郵便切手代のみと非常に安価です。弁護士に依頼せず自分で申し立てれば、合計1万円前後で手続きが可能で、弁護士費用がかからないことがメリットです。
ただし、債権者と直接交渉する必要があり、和解成立後に支払いが滞ると強制執行を受けるリスクがあります。また、特定調停では借金の元本は減らず、将来利息を減らすことが中心となるため、減額効果は限定的です。
費用は安いものの、手続きの難度やリスクを考慮して慎重に選びましょう。
任意整理の費用を安く抑える５つの解決策と方法
債務整理の費用を少しでも抑えるには、支払い方法や相談先を工夫することが大切です。この章では具体的な節約術を紹介します。
法テラス・民事法律扶助を使った分割・後払い・無料相談の活用術
経済的に余裕がない場合は、国が設立した法テラスを活用しましょう。法テラスを介して弁護士を依頼すると、一般相場の約3分の1の費用で、毎月5,000円からの分割払いが可能です。
ただし、利用には収入や資産の条件があり、単身者なら月収18万2,000円以下・資産180万円以下などの制限があります。無料相談で手続きの流れや費用を確認し、法テラスに民事法律扶助を申し込むことで、費用を無理なく支払える環境を整えましょう。
分割払いOKの弁護士法人・司法書士法人選び｜相性と実績を比較
多くの法律事務所は、費用の分割払いに対応しています。一般的な事務所でも最大36回程度の分割払いが可能で、月額2万〜5万円の支払いになることが多いため、返済計画に組み込みやすいのが特徴です。
例えば、赤瀬法律事務所は任意整理の着手金が0円〜で、解決報酬金22,000円・減額報酬金11％とリーズナブルに設定されています。
法律事務所を選ぶ際は、費用だけでなく実績や相談しやすさ、口コミなども比較し、自分に合った専門家を選びましょう。
成功報酬減額を引き出す交渉術と見積もりチェックポイント
依頼する前に必ず見積もりを取り、着手金・報酬金・減額報酬・実費などの項目が明示されているか確認しましょう。事務所によっては減額報酬を10％より低く設定している場合や、過払い報酬を請求しない方針を掲げている場合もあります。
複数の事務所に相談して料金を比較し、交渉の際には他社の見積もりを提示することで成功報酬の減額や分割回数の延長を引き出しやすくなります。また、手数料や相談料が無料でも、送金代行手数料などが加算される場合があるため、総額で確認することが重要です。
今すぐ取り立てストップ！一時的滞納への対処法と費用負担
弁護士または司法書士に依頼すると、「受任通知」が債権者に送付され、その時点で請求・取り立てが一時停止します。手続き完了まで約3か月間支払いが止まり、その間に弁護士費用を準備したり生活を立て直したりすることが可能です。
依頼者が自分で受任通知を送ることはできないため、専門家に依頼する必要があります。一時的に支払いを止めることで資金繰りに余裕が生まれ、手続き費用の負担も軽減できますが、計画的に貯金しないと再び支払いが厳しくなるので注意しましょう。
債務整理の費用が払えないときの対処法・検討ポイント
まとまったお金を用意できない場合でも、債務整理を諦める必要はありません。費用が払えないときの具体的な対処法を紹介します。
払えない…督促・借金返済が迫る状況別シミュレーションとお金の用意
借金の督促が続き弁護士費用の支払いが難しい場合は、手元資金を確保するために支払いを一時停止してもらう方法があります。任意整理や個人再生を検討しているなら、生活費を見直し、不要な支出を削減して毎月一定額を積み立てることが重要です。
どうしても用意できないときは、法テラスの扶助制度を利用して費用を立て替えてもらい、返済を数千円から始める選択肢もあります。また、家族や親しい人に相談し、一時的に資金を借りるのも一つの方法です。
相談無料対応の法律事務所・アディーレなど大手業者を比較対応
多くの法律事務所では依頼費用の分割払いが可能で、まとまった費用を用意できない人でも利用しやすいので、費用相場とともに分割対応か確認することが大切です。例えば、ベリーベスト法律事務所は任意整理の着手金が無料で、解決報酬金は1社につき2万2,000円、減額報酬金は11％に設定されており、相談件数50万件超の実績と全国展開を持ち、分割払いや後払いも受け付けています。
司法書士法人なら、みどり法務事務所が相談料無料、任意整理の手続費用1万1,000円〜、解決報酬金1万1,000円〜、減額報酬金0円で、費用を積み立てながら分割で支払える仕組みを整えています。
費用だけでなく、相談実績や対応の丁寧さ、口コミなどを比較して自分に合う専門家を選びましょう。
知恵袋で語られる『任意整理しなければよかった』ケースを再検討
インターネットの掲示板には「任意整理しなければよかった」という声もありますが、多くは返済計画を十分に検討しなかったことが原因です。任意整理では利息がカットされる反面、元本は減らないため、毎月の返済額が高額になると生活が圧迫されます。
手続き前に収支を確認し、返済シミュレーションを実施して無理のない計画を立てましょう。また、弁護士費用の支払いと債務の返済が重なる場合、弁護士費用を先に支払ってから和解手続きに入るなど、支払い時期を調整する方法もあります。
代行サービス利用時の注意点・リスクと問題解決策
債務整理の代行サービスには、弁護士資格のない業者が高額な手数料を請求するケースもあるため注意が必要です。依頼先を選ぶ際は、弁護士や認定司法書士かどうかを確認し、報酬体系や成功報酬の上限が明示されているかチェックしましょう。
契約前に複数社から見積もりを取り、支払い方法や返金規定を比較することがトラブル防止につながります。もし契約後に問題が発生した場合は、弁護士会や司法書士会の相談窓口、消費生活センターなどの公的機関に相談し、適切な手続きを検討することが大切です。
専門家と事務所の選び方＆都道府県別比較
実績のある専門家に相談することで、手続きの成功率や費用の透明性が向上します。この章では専門家選びのポイントを解説します。
＜おすすめ記事｜債務整理の流れを徹底解説！プロも教えてくれない初心者用ガイド＞
弁護士vs認定司法書士｜依頼できる範囲と費用差の意味
弁護士は債務整理の全ての手続きに対応でき、交渉や裁判所での代理も行えるのに対し、認定司法書士は140万円以下の案件に限り簡裁代理権を持ちます。司法書士の方が報酬が若干安くなる傾向がありますが、書類作成中心のため依頼者が裁判所に出向く必要があります。
借金額が大きい場合や裁判への出廷が予想される場合は弁護士への依頼が適切であり、費用の差よりも支援内容の違いを重視しましょう。逆に、借金額が少なく手続きを自分で進められる場合は司法書士でも十分です。
実績・相性で選ぶ全国（都道府県別）おすすめ法律事務所
法律事務所を選ぶ際には所在地だけでなく、債務整理の実績や依頼者との相性が重要です。例えば弁護士法人アディーレ法律事務所は債務整理の相談が何度でも無料で、65拠点以上の支店を持ち全国対応の体制を整えています。
また、弁護士法人みやびは4,000件以上の債務整理相談実績があり、相談料や着手時の手数料が無料、ローンが組めない場合でも分割払いに対応しています。
県内に事務所がなくても電話やオンラインで相談できるため、複数の事務所に話を聞き比べると、自分に合った専門家を見つけやすくなります。
契約前に確認すべき着手金・手数料・代行手数料と記載内容
契約前には、見積書や委任契約書に明記されている着手金、報酬金、減額報酬、送金代行手数料、裁判所費用などを必ず確認しましょう。着手金が無料でも、減額報酬や過払い金報酬が高額になるケースがあるため、総額で比較することが重要です。
また、司法書士の場合は代理範囲が限られているため、裁判所へ行く交通費や時間も考慮する必要があります。費用の支払い時期や返金規定についても明確にし、不明点は契約前に質問しておきましょう。
朝日新聞社『未来とびら』掲載コラムから学ぶ専門家の視点
朝日新聞社が運営する借金問題の解決をサポートする「債務整理のとびら」では、実際の相談事例や専門家の解説が掲載されており、借金問題に直面した人がどのように解決策を見つけたか紹介されています。
コラムでは、借金総額や返済状況、家族構成などの具体的な背景が示され、早期に弁護士や司法書士へ相談することが費用の増加を防ぎ、精神的な負担を減らすポイントだと指摘されています。
また、将来の住宅ローンやクレジットカード利用への影響についても解説されており、自分に合った手続きを選ぶための判断材料になります。こうした専門家の視点を参考に、情報収集と早めの行動を心がけましょう。
債務整理の費用に関するよくある質問とチェックリスト
最後に、債務整理を検討する際によく寄せられる疑問をQ&A形式で整理し、不安を減らすためのチェックリストを提示します。
費用はいくら用意すればいい？Q&Aで具体的に解説
Q：任意整理の費用はいくらですか？
A：1社につき着手金2万〜5万円・報酬金2万〜5万円に加えて減額報酬10％程度が必要です。債権者が複数いる場合は件数分の費用が掛かります。
Q：個人再生の費用は？
A：弁護士費用20万〜50万円と裁判所費用約20万円が目安で、総額50万〜60万円ほどです。
Q：自己破産の費用は？
A：同時廃止なら30万円程度、管財事件になると裁判所の予納金が20万円前後必要となり、総額50万〜80万円になります。事務所によって異なるため、事前見積もりが重要です。
借金がある心配・不安を減らすための対処法
借金や債務整理の話題は精神的な負担が大きく、将来への不安や恥ずかしさから誰にも相談できない人もいます。専門家に相談することで督促や取り立てが止まり、一定期間の支払い猶予が得られるだけでなく、法的に守られている安心感も得られます。
また、家族や信頼できる友人に状況を打ち明けることで、精神的な支えと実際のサポートが期待できます。生活費の見直しや副業などで収入を増やす工夫をすることも大切です。心身の健康を保ちつつ、計画的に債務整理を進めましょう。
手続き後に問題が起きたときの対応と解決策
手続き後に収入が減少して返済が難しくなった場合は、早急に弁護士や司法書士に連絡し、返済計画の見直しや別の手続きへの変更を検討します。特定調停や個人再生への切り替え、自己破産の再検討など選択肢は複数あります。
返済の遅れを放置すると遅延損害金が発生し、最悪の場合は給与差押えなどの強制執行に発展するため、早めの対応が必要です。弁護士費用の支払いが残っている場合は、分割回数の変更や支払い猶予の相談も可能なため、現状を正直に伝え問題解決に向けて一緒に策を考えてもらいましょう。
相場と内容を把握して債務整理費用をできるだけ最小化しよう
債務整理の費用相場は手続きによって大きく異なりますが、相場と内訳を把握すれば準備すべき費用が見えてきます。任意整理は1社3万円程度から、個人再生は50万円前後、自己破産は30万〜80万円が目安です。
法テラスや分割払いを利用すれば費用負担を軽減できるので、早めに相談・検討を進めましょう。専門家に見積もりを依頼し、費用と手続きのメリット・デメリットを比較して、自分に合った方法で安心して再出発を図ってください。